これから家を建てよう、建替えようと計画中のあなた、どんな家が長持ちするかどんな家が長持ちしないか見分けがつきますか? どれも同じだろうなんて考えていませんか? もしそうお考えでしたらそれは大変な思い違いです。
そんなことを言われても我々素人には見分けがつくはずがないだろう。
すみませんごもっともです。でも簡単に見分ける方法があるんです。たった一つのことを確認するだけでいいんです。 あなた様が今お打ち合わせ中の建築会社さんに次のような質問をしてみて下さい。
「この家は何時も柱に風があたっていますか?」
この問いに「ハイ!何時も風があたっています」と答えが返ってきたらその家は大丈夫、長持ちします。ご契約OKです。
なぜ日本の住宅は長持ちしないのだろう。しかし、なぜ日本の神社仏閣は500年、800年も長持ちするのだろう。住宅と社寺の違いはなんなんだろう。 これを解明すれば、住宅も長持ちさせることが出来るだろう。そう思いませんか。
それでは早速比べてみましょう。一番の違いは、社寺は人が住むための器ではないので、風通しがバツグンです。柱や梁などは何時も風があたっています。柱や土台が雨に濡れてもすぐに乾いてしまう。実はこのことが建物を長持ちさせる最大の理由です。
そのあたりをもっと詳しくご説明させて頂きます。木材を一定の温度と湿度のもとに放置しておくと、木材に含まれる水分量はあるところで平衡状態に達します。つまり水が出入りしなくなります。
例えば、温度20℃湿度65%の時、木材の含水率はだいたい12%で安定します。これを平衡含水率と言います。この平衡含水率は温度と湿度によって違ってきます。分かりやすく言えば、周りが湿気てくると木材は水分を吸い、乾いたなと感じたら水分を放出して平衡含水率になるように自分のバランスを保とうとします。これを大気のほうから見ると、湿度を一定に保とうとする調湿作用ということになります。
一般に建築材料として使われている木材は含水率がだいたい15%あたりで平衡状態になっていて、その前後を行ったり来たりすることで調湿してくれるのです。
雨の日は、室内の水分を吸い、乾いたと感じたら水分を放出します。ここで知っておいて頂きたいのは、木の家で考えた場合木材が水分を吸ったままの状態にしておいてはダメだと言うことです。乾かさないと水分を蓄積してやがて腐りだしてしまいます。
腐朽菌が育成する条件(木が腐る条件)として次の4つが必要です。「酸素」と「適度な水分」と「適当な湿度」と「養分があること」この4つの条件が一つでも欠けると腐りません。まず、酸素を絶ったり、湿度をコントロールすることは出来ない。養分は木そのものが養分だから絶つことは無理。ただ一つ、水分の管理が腐朽菌の育成を抑制するポイントになります。含水率で言えば20%以下なら木は腐らない。
結論は木造住宅を長持ちさせるためには、木材が呼吸出来る構造でなければダメと言うことになります。だから壁の中に断熱材を詰め込んだり、挟み込んだりする工法では、柱の水分を管理することが出来ません。
柱の水分を管理するということは、湿気を多く含んだ柱を乾かすことが出来ると言うことです。 床下、壁の中、天井裏、屋根裏にある骨組木材に何時も風をあてることが出来ない家はゼッタイに長持ちしません。 最近の家づくりのそのほとんどが壁の中や天井裏などに風があたらないようにわざわざビニールシートを張ったり、断熱材で遮断したりしている。これではやっぱり日本の家は長持ちしない。
断熱材を壁の中から外に追い出し(外断熱の家)春風を床下、壁の中、天井裏、屋根裏に入れることが出来れば200年住宅も夢ではございません。
著者 斉藤 進
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